熱狂的野球ファンが綴る!ベースボールの魅力

天才の指導法〜落合博満の力まない凄み〜

もう三十年、野球ファンをやっているが、
この三十年、私が観た中で最高のバッターは誰だったかと
問われれば文句なく落合博満を上げる。

 

プロ野球ファンならご存じのように彼は首位打者・本塁打王・
打点王の三冠王を三度も獲っている天才打者だ。

 

身長178cmというプロ野球選手としては小柄な部類の彼が
なぜ歴代5位の510本の本塁打を放てたのか。

 

俗に言う「落合打法」という言葉が一人歩きしている感じが長い間あった。
私を含めて野球少年たちは、神主打法をより個性的にした落合打法に熱中した。

 

いかに落合が凄いのかを物語る数字がある。
四死球の歴代一位は言わずと知れた王貞治だが、
落合は歴代二位、右打者では一位である。

 

また、三振の数も極端に少なく、
三桁の三振をしたシーズンは驚くことにワンシーズンもない。

 

いかに落合のバットコントロールが巧みで四死球を選ばれ、
終いにはホームランにされていたかがわかる。

 

今となっては落合の中日での監督ぶりを我々は見ているので
名監督であることを前提に話せるが、
当時はどれだけの人が監督での彼の成功を見据えていただろうか。

 

現役時代の彼はそれ程個性的で団体行動とは無縁の印象が強い選手だった。
名球会に入ることを頑なに拒んだり、ストーブシーズンには年俸交渉で毎年
お騒がせをしている選手だった。

 

しかし、今も昔も変わらないことが特に年俸交渉から見て取れる。
彼は現役時代から選手の待遇アップの先駆けとなるような交渉を球
団側としてきた先駆者だった。

 

王貞治や長嶋茂雄ですら一億の壁を越えなかったことを
理由に断られた落合は、次の年、二年連続で三冠王を獲る。

 

球団に「落合という商品を幾らで買うのか?」と押し迫り、
一億の壁を解放した。

 

現在、GMとなった落合は年俸に関して厳しいと
批判されることも少なくないが、プロ野球選手は個人事業主。

 

活躍すれば上がるししなければ下がる、というわかりやすい
論理で契約交渉するやり方はプロ中のプロと言えよう。

 

私は現役中を含め監督やGMになっても落合が力んだところを見たことがない。

 

彼は小さな体で本塁打を量産した。
これは落合打法の賜物で、普通の選手のような芯に当てる打ち方では
フライにならなずにセンター返しになってしまう。

 

落合打法ではボールの下をこすり上げる。
そのフォ−ムには全く力みがない。

 

個性的であったからこそ生まれた天才、落合博満。
彼のような物言えるスターの台頭をしばし待ちたい。